mirage of story
自分はただ、なかなか戻ってこないシエラを心配して彼女を捜しに来ただけのはずなのに。
彼女の痕跡を追って、泉へと辿り着いた。
そしてそこで彼女を見付け、その手を取り待っているジェイド達の元へと戻る。
そのはずだったのに。
現実は、唐突すぎる水竜との出会い。
そしてその上にまるで身に覚えのないことを、こうして迫られる。
全てを知る?
自分には全ての記憶がちゃんとあるし、忘れていることなど思い当たらない。
自分の決断が、世界の運命に関わる?
そんなことあるわけがない。自分はただのしがない一人の人だ。
カイムは水竜が何を言っているのか、理解出来ない。
根拠が見付からない。
"少年よ。君自身が知らないだけだ。
君という存在は、この世界の運命の行く末の根本に深く関わっている。
力などは関係ない。
記憶などは関係ない。
関係するのは........君自身の存在だ"
「水竜、一体貴方は何を――――」
"それを知れば、君の知りたいことも自ずと判る。
君の捜している父親のことも。その父親が何故君や君の母親を置いて姿を消したのかも。
全てが判る。
君はそれを知ることを、心から望んでいたはずであろう?
それを知り得る時が、この今ということだ"
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