mirage of story










そしてその闇に重なり空に描き出されるのは、複雑に模様が組み合わされたような大きな魔法陣。

割れ目から覗く闇の上に、金色に光る魔法陣が今から何かが起ころうとしているのだと告げた。




俺はその光景に思わず息を飲む。





























『...................どうか、この子に再びの命を』



割れた空の先を見つめたまま、父さんが呟いた。

誰に言っているのか。
父さんは消え入りそうな声を更に震わせて、空に向かって呟く。










「一体、何を言って――――」



一体何が起こっているのか。
何を言っているのか。


再びの命?
.......全くその言葉の意味が俺には分からない。





状況を把握仕切れていない俺に水竜は何も言わない。

俺の疑問に水竜が答えてくれる様子もないので、何も分からない俺はただ、事が起こるのを待つしかできない。










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