mirage of story

〜0〜













同じ一つの世界の中で、固められたそれぞれの想いと決意。

その想い達は全て同じ運命の上にありながらも、互いにその存在を知り得ない。







すぐ近くにありながら、擦れ違い続ける想い達。

ふと目を逸らせば見える所に在るのに。
決意し強く想う者達は、まっすぐしか見ることが出来なくて。





気が付けば変わるはずの運命も、変わることなく定められた終着点へ向かって加速する。




終着点の手前。
同じ場所へと向かうそれぞれの想い達がようやく一つに重なり出逢った時にはもう遅く、後悔してどれほど嘆いてももう時は戻らない。

想いの擦れ違いの果てに残される選択肢は、誰も望まない酷な唯一の選択。










気が付け。
気が付いてくれ。

彼等を見守るそんな神達の願いも虚しく、互いの想いの存在に気が付くことのないまま彼等な哀しい運命は加速する。



そんな彼等を見ていられなくなって、神達はスッとその瞳を伏せた―――。











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