mirage of story
堕ちる混沌
〜1〜









望み。願い。
それは人なら誰しもが抱く、傲慢な欲望。

それが己のためであっても、誰かのためであってもそれは人の傲慢だ。






だって、そうだろう?

人が何かを望み願うのは、それが叶わないから。叶わない運命に生まれてしまったから。
その運命に逆らってまで何かを望み、運命を変えようとするのだから傲慢以外の何物でもない。


だけど、人は願わずには居られない。
......何故なら、人は弱い生き物だから。












運命を人の勝手な願いで変えてしまえば、秩序は崩れ去り本来あるはずだった運命は歪んでいく。

願った者の運命だけでなく、全ての者の運命を巻き込んで。









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