【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「ご、ごめん和泉……!」
男の子たちは慌てて自分たちの席まで歩いて行って、話し声も聞こえなくなった。
和泉くん……。
初めて助けられた日のことを、思い出した。
図書館での一件……私が、和泉くんを好きにってしまったきっかけ。
……勘違いするな、私……。
今回だって、本当に道を塞いでいた男の子たちに、退いてほしかっただけだろう。
私を助けてくれた、わけじゃないっ……。
ちゃんと頭では理解しているから、お願い……ドキドキ、しないで……。
胸の辺りを押さえて、心を落ち着かせるように小さく息を吐いた。
……って、あれ……?
ドカッと、私の後ろの席に座った和泉くん。
もしかして……和泉くんと、前後の席……。