【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
……う、そ……。
心臓の脈打つスピードが、異常なくらい早くなる。
座席があるから、和泉くんから私の姿は見えないだろうけど……でも、近くにいるという事実だけで、どうにかなってしまいそうだった。
こんな状況でずっと、耐えられるかな私……っ。
心を落ち着かせようと、胸の辺りを摩った時、隣の席に誰かが座った。
「あ……佐倉先輩」
「隣だね。……ま、俺が座席決めたんだけど」
相変わらず爽やかな笑顔を浮かべた佐倉先輩に、少しだけほっとする。
隣の人が、知らない人じゃなくて安心した……。
そんな私を側に、何やら他の部員さんたちから声を掛けられている佐倉先輩。
「キャプテンずりーっす!特権乱用ですよ!」
「なんで俺ら後ろの席なんっすかー!」