【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「うるさい。お前らみたいなのと一緒に座らせるわけにいかないだろ」
……なんだかこうしてみると、キャプテンなんだなぁと改めて感じる。
皆んなに慕われている様子が、手に取るように感じられた。
それにしても、賑やかだ……
今まで部活に入ったことは愚か、こんな行事ごとに参加したこともなかったから、不思議な感覚。
でも……嫌な気はしなくて、むしろ少しだけ楽しくなってくるような、わくわく感が私の中に芽生えた。
「一時間半くらいで着くから、眠たかったら寝ててね」
バスが発進して、目的地へと向かい始めた。
一時間、半か……。
せっかく気を遣ってくれたのは嬉しいけれど、私なんかより、佐倉先輩の方が心配。
「佐倉先輩も……眠ってくださいね?」
「……え?俺?」
「はい、なんだか眠そうだなって……」