【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜


「は、はい……」



気になったけれど、聞くのもなんだか違う気がして、私は気にしないフリをした。








「皆さん、ありがとうございましたっ……!」



無事に合宿場に辿り着いて、荷物持ちをしてくれた4人にお礼を言う。



「い、いえいえ!いつでも言ってください!」



何故か照れくさそうにしていた健太くんと和泉くん以外のふたりに、頭を下げる。



「助かりました……!」



私ひとりじゃ、きっとひとつも持て帰れていなかった……っ。



「そ、それじゃあ、俺ら練習行きます……!」

「はい。頑張ってください……!」



にっこりと笑顔を向けて、ふたりを送り出す。


ふたりに続くように、和泉くんが運動場の方に行こうとして、私は慌てて引き留めた。



「あのっ……」



和泉くんにも、ちゃんとお礼言わなきゃっ……。

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