【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
俺たちの方に歩み寄ってきた和泉が、怖い顔でマネージャーたちを見た。
「あの人が倒れたのはお前らのせいだって言ってんだよ」
俺が言った時は血相を変えて反論してきたのに、和泉の言葉となると別らしい。
しゅんと肩を落とすマネージャーたちに、いっそ笑えてきそう。
和泉も、反論しないマネージャーたちを鬱陶しそうに見て、舌打ちをした。
「ちっ、金魚のフンの応援なんかいらない」
「和泉、ストップ」
今度は誰だと思いきや、裏口の方からキャプテンが現れた。
この人も……いつからいたんだろう。
マネージャーをかばって止めたのかと思いきや、前に立ったキャプテンは思いの外低い声で話出した。