【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜


顔を真っ青にしてキャプテンを見るマネージャーたち。



「明日、バスで帰って。交通費は出すから。それと、サッカー部にももう金輪際来なくていい」



キャプテンは、容赦無く言い放った。



「え……そんな……」

「……ごめんね、迷惑なんだ。今まで目をつぶってたけど、これからはもう仕事してくれない子はいらない。試合だけ見に来てよ」



話はこれで終わりと言わんばかりに、食堂の片付けを始めるキャプテン。

マネージャーたちは、縋るようにキャプテンを見つめている。



「私はただ、佐倉先輩が……」



言い訳をしようとした1人に、キャプテンは見たこともないような鋭い瞳を向けた。



「もう一回言うよ。迷惑。君たちの尻拭いさせられてる静香ちゃんを、これ以上見てられない」



シーンと、食堂内が一瞬にして静まる。

怖い……。


マネージャーたちも、今にも泣きそうな表情になっていた。

ていうか……キャプテンって、怒るんだ……。
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