【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜




当たり前のことだけど、いつも優しいキャプテンからこんな怖い声が出るなんて、想像できなかった。


まあでも、マネージャーたちには自業自得としか言いようがないか。

ちょっとすっきりしたし、別にこの人たちがいなくなったところで作業量は変わらないから、帰ってもらって構わない。

静香さんも、邪魔なやつらがいなくなって喜んでくれるはず……。



「ま、待ってください……!」



静まっていた食堂に、辛そうな声が響いた。

それは、ただただ不体調から来ているものではなく、悲しんでいるような声だった。


……静香さん?


その場にいた人の視線が、一斉に静香さんに向けられる。


どこから話を聞いていたのか、入り口から入ってきた静香さんが少しおぼつかない足取りで近づいて来た。

キャプテンも和泉も、静香さんを見て目を見開いている。


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