【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜



マネージャーたちをかばうように、前に立った静香さん。

その表情は、悲しそうな、申し訳なさそうな顔だった。



「マネージャーさんたち、怒らないで、欲しい……です」



……え?



「……わ、私がマネージャーさんたちとちゃんと連携がとれなくて、頼めなかっただけで……手伝おうとしてくださったんです!」



何言ってるんだ。

きっと、この場にいた全員が同じことを思っただろう。

マネージャーたちさえも。


なんだそれ。静香さんに責任があるみたいな言い方。

何も悪くないのに。1番の被害者なのに。


どうしてこの人は、こんな奴らをかばっているんだろう。

こんなやつらのために……そんな悲しそうな顔をしてるんだろう。



「作業量の違いはあったかもしれません。でも、応援したいって気持ちは一緒なはずです……!」



必死にそう訴えてくる静香さんに、俺はなんて人なんだろうと思った。
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