俺様外科医と偽装結婚いたします

彼の迷いない返事に鼓動が高鳴っていく。抱えきれないほどの幸せに世界が涙で滲んだ。



それから一週間が経ち、お祖母ちゃんの検査結果が出た。

幸いにも悪い病気は見つからず平穏な日常が完全に戻ってきたことに一安心する一方、陸翔の彼女がうちの仕事を手伝い始めたことでコスモスにもまた新たな風が吹き始めている。

約束していた食事に連れ出してもらった今宵、私は環さんの内側にもう一歩踏み込むつもりでいたのだけれど……決めたはずの覚悟は現在行方不明である。

食事の間も帰宅途中のこの車の中でも、なかなか疑問をぶつけることができずにいる。


「どうした? なんか変だけど」


切り出す勇気を持てないまま落ち着きなく座っていたからか、運転中の環さんに不審感たっぷりの声で問いかけられた。

せっかくのチャンスだというのにやっぱり私は口ごもる。

環さんの恋人になり一週間経った今なお自信が持てないのだ。

彼のような素敵な男性の相手が本当に自分で良いのかという思いもあるけれど、それよりももっと大きく私の心を占めているのは菫さんの存在だった。

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