フェイク☆マリッジ 〜ただいまセレブな街で偽装結婚しています!〜 【Berry’s Cafe Edition】

「東さんと加藤さんは、おれがこの世界でやっていけるように後押ししてくれた『恩人』で、ずっと世話になってる人たちだ。
今回だって、おれがおまえと話したいことがあるっていうのを薄々わかった上で、この話に乗ってくれたんだと思う。
もちろんあの人たちもプロだから、この洋館が新しいドラマに使えると思わないと、いくらなんでもここまではしないけどな」

——『話したいこと』……?


「おまえと付き合い始めたときも、真っ先に彼らに報告したよ」

「ちょっと、待って!」

わたしはあわてて遮った。

「あの頃、わたしと付き合ってたことを他の人に言ってたの……?」

——だれにも話していないと思っていた……


「当たり前じゃないか。所属事務所(会社)にもちゃんと報告してたよ。
……人気が出始めた直後だったからさ。
かなり渋い顔をされて、絶対に写真週刊誌に撮られるなよ、ってめちゃくちゃ釘刺されたけどな」

わたしは……

当時、四六時中いっしょに動いていた担当マネージャーにすら言ってなかった。


「東さんと加藤さんには、おれがレイカとの結婚を決意したときにも真っ先に報告したよ。
……二人とも、すごく祝福してくれた」

「ええっ⁉︎ ——わたしと結婚するつもりだったの⁉︎」

「付き合って五年も経ってたんだから、そろそろケジメをつけなきゃと思ったんだよ。
それに、二人のスケジュールがなかなか合わなかっただろ?
これじゃいっしょに住まない限り、顔を合わせることもできないぞ、と思ってさ……」

——あの頃のわたしと、同じことを考えていたんだ……

「だったら、なぜ……他の(ひと)と……」


「そんなとき、おまえの親父さんに呼び出されたんだよ」
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