フェイク☆マリッジ 〜ただいまセレブな街で偽装結婚しています!〜 【Berry’s Cafe Edition】

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その後、パウダールームでお化粧直しを終えたわたしは、ついでに気持ちもいっしょに整えた。

そして、再びバンケットルームへ戻るために廊下に出ると——


「……佐久間様」

突然、背後から「旧姓」で呼びかけられる。


——だれかしら?

以前、江戸屋百貨店で働いていた顔見知りの人かな?

だったら、「レイカさま」や「レイカさん」って呼ばれるはずなんだけどな?

そう思いつつ振りかえってみると……


結婚してすぐに中国へ単身赴任した武尊さんとともに赴き、それから三年間帯同していた彼の秘書——

武田 かおるが、真っ黒な膝下(ミディ)丈のワンピースを着てそこに立っていた。


「わたしはどうして……
小笠原室長の秘書の仕事を……
あなたなんかに取り上げられなきゃならないのかしら……?」

彼女は整った顔を忌々しげに歪めて、わたしに告げた。

心の底からふつふつと湧き上がる苛立ちを、いっさい隠す気はないようだ。

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