フェイク☆マリッジ 〜ただいまセレブな街で偽装結婚しています!〜 【Berry’s Cafe Edition】

神宮寺先生が手にしているシャンパングラスの中は、空だった。

——うわっ、マズい!もしかして、もう乾杯終わっちゃった……?

焦りかけたそのとき、バンケットスタッフがすーっと近づいてきた。

先生のグラスを受け取ると、トレイの上に並べられた新しいグラスを差し出す。

先生が受け取ると、今度はわたしの方にトレイが向けられた。

会釈を一つして、わたしもグラスを受け取る。


「……乾杯前だというのに、非常識にも何人ものオンナたちがこいつにシャンパンを持って押しかけてきたんだぜ?」

先生がうんざりした顔でぼやいた。

どうやら、武尊さんへの「アルコール突撃」はわたしの姿が見えなくなると再開されていたようだ。

そして、わたしの代わりに先生が一手に引き受けて撃退した上にシャンパンを呑み干してくれていたらしい。

よく見れば、先生の頬がうっすらと赤く染まっている。

意外にも彼の面立(おもだ)ちは童顔のため、その大きな目は垂れ気味でかわいらしいほどだから、ものすごーく申し訳ない気持ちになる。


——そういえば、この人……確かまだ二十代だったはずよね?

週刊誌などで女優やタレントたちとさんざん浮き名を流しているから、さぞかし壮年のイケおじかと思いきや、なんとわたしよりもずっと若いのだ。

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