フェイク☆マリッジ 〜ただいまセレブな街で偽装結婚しています!〜 【Berry’s Cafe Edition】

——それなら、確かに「生活費」の確保はできるけれども……

そのとき、わたしにもいいアイディアが浮かんだ。

「だったら……二つ、条件があるわ」

すると、小笠原の顔が「二つもあるのか?」と、ものすごーくイヤそうに歪んだ。


「一つは、亡くなった祖母が大事にしていたお庭のバラは絶対に枯らしたくないから、専門の庭師を呼んでちゃんと世話をしたいの。
あなたが出す『生活費』に含めてちょうだい」

薔薇は、祖母の故郷・英国の国花である。

祖父と結婚して若くして日本に移り住んだ祖母にとって「我が家のローズガーデン」は、遥か遠くの故郷(ホーム)に想いを馳せる場であったに違いない。

絶やすわけにはいかない。

「了解した。じゃあ……もう一つは?」


彼の即断に気を良くしたわたしは、打って変わって意味ありげに微笑んだ。

「あなたの秘書——武田 かおるさんを、絶対に家には入れないでほしいの」
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