フェイク☆マリッジ 〜ただいまセレブな街で偽装結婚しています!〜 【Berry’s Cafe Edition】
「——は? 」
さすがに虚を衝かれたのだろう。
「どうして、彼女を……?」
小笠原は口ごもったが、次の瞬間にはもう体勢を立て直していた。
「だったら……その件を了承するために、こちら側も条件を一つ付けたいな」
わたしを挑発するかのように、フッと嗤う。
「でないと……あまりにも不公平だろう?」
やはり形だけの「戸籍上の妻」であっても、言われるがままに「愛人」に会うのを制限されるのは耐えがたいみたいだ。
——まずい……ヤツの「地雷」を踏み抜いちゃったかな……?
「な、何なのよ……『条件』って……」
声が震えないように踏ん張る。
「おれが帰国してすぐに参加したパーティで、君がパートナーとして連れてきていたのは……長澤不動産の創業家の男らしいな?」
「へっ? まさか……テンシのこと……⁉︎」
返す刀で今度はわたしが虚を衝かれて、情けないほどに声がひっくり返ってしまった。
……って言うか、あのパーティにわたしが出席してたこと、気づいてたのっ⁉︎
しかも、テンシがパートナーっていうことまで⁉︎
「その男——長澤 典士氏を、おれたちが住む『家』には絶対に入れないでくれ」