フェイク☆マリッジ 〜ただいまセレブな街で偽装結婚しています!〜 【Berry’s Cafe Edition】

『——やめておけ』

テンシがまるで地獄の底から迫り上がってきたような声で告げた。

『あいつらは子どもも生まれて、今幸せに暮らしているんだ。
おまえがこれ以上引っ掻き回したら……今度こそ、あいつにぶっ殺されるぞ』

「はぁ? なによ、それ……」

『おれだって、おまえが曲がりなりにも結婚したダンナと同居してくれて清々してるんだ。
これからはもう、パーティとかで「パートナー役」として引っ張り出されることもないだろうからな。
おまえみたいな面倒くさい性格の女と結婚する羽目になったダンナには「ご愁傷様」って言いたいところだよ。
くれぐれも、今までみたいにワガママ放題してダンナから見捨てられないよう気をつけろよ』

「ちょっとっ、言い方……っ!」

反撃しようとしたら、いきなりプツッと通話が切れた。

——いくら「素」で付き合える「親友」とはいえ……

「は、は、腹立つ……っ!!」


……とは思うものの、今日のわたしはもう一件通話しなければならないところがある。

いつまでも引きずってはいられない、

わたしはロッキングチェアの傍に置かれたジョージアン様式(スタイル)のサイドテーブルにプライベート(プラベ)用の最新のiPh◯neを置くと、仕事用のAndr◯idを手にとった。

三年ほど前、「不躾な女」武田 かおるから突然かかってきてイヤな気分にさせられたので、それを機にプラベと仕事でスマホを別々に待つことにした。

それまで二台持ちは面倒くさくて無理矢理一台にしていたのだが、分けると何かと便利でもっと早く(もっとモデル業が忙しかった時代に)しておけば良かったと後悔している。

わたしはマネージャーの名前をディスプレイに出すと、通話のマークをタップした。

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