今夜、色のない君と。
それまでゴミをほうきで掃いていた花夜は、ちりとりでゴミを集めて捨て、ほうきとちりとりを元の位置に戻してから秋野さんの横に立った。
「ありがとう花夜ちゃん。じゃ、さっそく話すけど、緒都くん。僕と花夜ちゃんと一緒に3人で、京都に行ってくれないかな」
「え…?」
京都……?
しかも花夜も一緒に…?!
「えっと……それはガイドブックに書かれてたのを実行してみるということでしょうか?」
少しテンパって敬語がいつもより堅くなってしまった。
「はははっ。そういう反応をするだろうなって思ってたよ。予想通りだったね、花夜ちゃん」
「ふふっ。そうですね」
「……からかってるんですか」
「違うよ。僕は本気だ。本気で花夜ちゃんも一緒に京都に行きたいと思ってる」