今夜、色のない君と。


秋野さんはいつになく真剣に、けれど優しい口調で言った。



「これから緒都くんは夏休みでしょ?勉強に差し支えなければ、3泊4日とかでどうかな」


「え…3泊4日も…?……なんでですか?どうして京都に……」



僕が秋野さんに対して問いた質問は、秋野さんの表情を見れば明らかだった。


何か、情報を掴んだらしい。



その“何か”はわからないけれど、いずれにしても、花夜に関係していることは間違いないだろう。



「以前、緒都くんには言ったよね。緒都くんにこのお店を任せるようになってから、僕はその間に京都に行っていたと」


「はい。たしかそこでご友人に会いに行ってたんですよね?」



僕はその“ご友人”から花火をもらった。


もちろん間接的に、だ。



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