今夜、色のない君と。
「そう。それでね、その友人が花夜ちゃんに会ってみたいと言ってきたんだ」
「え、花夜に…?秋野さん、花夜のこと話したんですか?その人に」
「ああ、少しだけね。詳しいことはまだ何も話してないけど、絵の中から出てきたことだけは話したんだよ」
僕が怪訝そうな顔をしていたからだろうか。
秋野さんは宥めるように僕に言ってきた。
「大丈夫だよ緒都くん、心配しなくても。その人は信頼できる人だ。花夜ちゃんが好奇の目に晒されるようなことは絶対にないよ」
「あ……はい…」
秋野さんが信頼しているなら秘密は絶対に守る人なんだろうが、
僕は実際に会ったこともないので完全にその人を信じろというのは無理な話だった。
「…理由はわかりました。ですが一つ質問があります。どうしてその人は花夜に会いたがってるんですか?」