今夜、色のない君と。
花夜の笑顔は人を喜ばせる力を持ってる。
そう、僕は感じた。
「花夜って名前、漢字で書いても可愛いと思うよ」
「…かんじ?」
「そう。知らない?」
「…聞いたことはあります」
僕の話を興味津々で聞いてる花夜は、何も知らない子供みたいな顔をしている。
それが何となく、僕にはおかしかった。
「花っていう植物は知ってる?」
「あ、それならあります。秋野さんがたまに持ってるやつですよね」