春の魔法
ついに、この日がやって来た。俺は、瑠梨さんと公園のベンチに座っていた。
「あれ…琥白!?」
公園の出入口に、美影と氷翠が立っている。美影は、俺の姿を見つけると、すぐに駆け寄ってきた。氷翠さんは、気まずそうに美影の後を追ってくる。
俺が「おはよう」と挨拶をすると、美影と氷翠さんは同時に「おはよ」と言って、微笑んだ。
「なんで、琥白がここに居るの?」
美影は、不思議そうな顔で俺を見た。俺は、「たまたま寄っただけだ」と返す。
「そうだ…!これから、魔法学校の屋上に行くけど…琥白も来る?」
「やめて!来ないで…」と氷翠さんが叫んだ。何かに怯えるかのように。
「…ごめん。やっぱ、僕と氷翠だけで屋上に行くね」
「待って!!」と俺の隣に座っている瑠梨さんが立ち上がった。瑠梨さんは氷翠さんの腕を掴むと、魔法をかけ、どこかに消えていく。
「…なぁ、美影。瑠梨さん達、どこに行ったのか分かるか?」
「…分からない」
美影は、不安そうな笑顔を浮かべる。俺らは、この日、魔法学校の屋上に行き、真実を話す…予定だった。
しかし、氷翠さんがそれを拒否。美影は、拒否されるだろうと、さっき誘った時に予想はしていたらしいが…。
「美影、どうやって氷翠さんを連れてきたんだ?」
1番、疑問に思ったことを美影に聞いてみた。
「知らなかったの?僕達、元々この公園に来る予定があったんだよ!」