一匹狼と野良猫。
あいしてる?
あいしてるって、
なんだっけ。
両親に捨てられ、この男に出会い、監禁され
暴力を振るわれる毎日。
あいって
なんですか。
「〇〇......?
なにか喋って?
.....ねぇ、お願い」
彼は泣きながら、無造作に伸び切った髪を掻き分け
こちらを見つめる。
ここから逃げ出さないよう
手足首につけられた手錠は、
身体に染み渡るほど冷たく、重い。
すぅっと息を吸い、言葉を出そうとする。
「......ろ.....して」
「......なに?〇〇?」
「.....こ.....し、て」
殴り、蹴られた衝撃で呼吸が上手くできない。
「こ、ろ、し、て。」
男が口の動きを真似て呟く。
そして、じわぁっと目に涙を浮かべて泣き喚いた。