夏の魔法



「――こんな感じかな」

僕は、琥白にあの時の話をした。そして、布団から出ると近くにいた琥白の隣に立つ。

両親を見ると、2人は何かを決心したように琥白を見ていた。

「琥白くん。さっき、美影に相談したことがあったと言ってたわよね?」

琥白は、「はい」と言ってうなずいた。

「それが予想外の出来事になった、と」

母の言葉に続くように、父が言った。琥白は、「はい…」とテンションが低い声で答えた。その様子を見た僕は、泣きそうになった。

僕のせいで、琥白に嫌な思いをさせてしまった…?僕のせいで、こんなことになってしまった…?

僕は、自分自身を責めてしまっていた。両親は長い間、僕をしっかりと見ていたのか、僕の様子に気づき、母が言った。

「自分自身を責めるな、琥白くんも美影も何も悪くないよ」

僕を抱きしめた。その温もりがとても暖かく、僕は、糸が切れたように泣いた。

「琥白くん。美影が落ち着くまで、俺らが相談に乗ってやる」

父が琥白に向かって言った。琥白は「えっ…」と戸惑いを見せていた。

そして、「ありがとうございます」と琥白が微笑んだ。

今日は良く泣く日だな、と思いながら、僕は母の肩に顔を乗せた。
< 15 / 23 >

この作品をシェア

pagetop