夏の魔法
「おう。おはよう、美影」
僕が目を覚まし、顔を上げると、琥白が隣で笑っている。僕は、琥白を見て驚いていた。
「お前の家に泊まったんだ。俺が親に『今、美影の家に居るんだけど、今日の帰り、遅くなりそう。…そこで、美影の両親が、この家で泊まって行く?って言ってるんだが…』と電話で伝えたら、親に『美影くんの両親が良いのなら、泊まっても良いよ。あんたの荷物は、美影くんの家に届けてあげるから』って言われたんだ」
今日は休日だ。それで、琥白に泊まっても良いよ、と言ったのだろう。
琥白から目を離し、辺りを見渡すと、僕の部屋に居た。
「美影の父さんが、ここまで運んでいたぞ」
「…そっか。琥白、色々とごめんね?」
僕は、琥白にもう一度謝った。すると、琥白は「気にすんなよ」と言って笑った。
「美影と琥白くん、起きているのね?朝食の時間よ」
僕の部屋の外から、母の声が聞こえる。僕は「分かった!」と言うと、琥白と一緒に部屋を出る。
「俺、春休みに美影の名字が変わったことを聞いた時はびっくりした」
「だろうね…」
僕と琥白は、リビングに入る。父がいつものように「おはよう」と言って微笑んだ。
僕は「おはよう」と返し、琥白と一緒に席に座る。
「もし、僕があの時周りを確認していたら、英太は生きていたのかな」
僕は、うつむきながら呟いた。父は、僕に「…お前は悪くない。英太も悪くない」と言った。