海軍提督閣下は男装令嬢にメロメロです!
「お母上の年の頃は!? 相貌は? 髪や瞳の色彩は? エレンに似ているのか!?」
たたみかけるようにマーリンさんは問いを重ねる。その勢いに私はもとより、アーサーさんまでもがすっかり気圧されていた。
「え? 母ちゃんの年? ……たしか五十二だったかな。見た目はピッタシ同じだぜ。俺たち似た者親子なんだ。だけどここだけの話、母ちゃんの金髪にも少し、白いのが交じり始め――」
「エレン、今後船内では、いっさいの単独行動を禁止します。常に船長と行動を共にし、心身ともに無理のないよう、自身の体調を一番に優先して過ごしてください」
「へっ?」
なんの冗談かと思ったが、正面のマーリンさんの目は欠片だって笑ってなかった。
「いいですね? それから船長もエレンに無理をさせるような行動は慎み、当初の言葉通り、あくまで世話係に徹してください」
私とアーサーさんは、マーリンさんの謎の変わりように、思わず互いに見つめ合って首をかしげた。
「では、俺は少々考えたいことができましたので、これで失礼します」
マーリンさんは自分が言いたいことだけ言うと、サッサと背中を向けて行ってしまった。
たたみかけるようにマーリンさんは問いを重ねる。その勢いに私はもとより、アーサーさんまでもがすっかり気圧されていた。
「え? 母ちゃんの年? ……たしか五十二だったかな。見た目はピッタシ同じだぜ。俺たち似た者親子なんだ。だけどここだけの話、母ちゃんの金髪にも少し、白いのが交じり始め――」
「エレン、今後船内では、いっさいの単独行動を禁止します。常に船長と行動を共にし、心身ともに無理のないよう、自身の体調を一番に優先して過ごしてください」
「へっ?」
なんの冗談かと思ったが、正面のマーリンさんの目は欠片だって笑ってなかった。
「いいですね? それから船長もエレンに無理をさせるような行動は慎み、当初の言葉通り、あくまで世話係に徹してください」
私とアーサーさんは、マーリンさんの謎の変わりように、思わず互いに見つめ合って首をかしげた。
「では、俺は少々考えたいことができましたので、これで失礼します」
マーリンさんは自分が言いたいことだけ言うと、サッサと背中を向けて行ってしまった。