海軍提督閣下は男装令嬢にメロメロです!

 けれど陛下の切実な眼差しにただならぬものを感じ、俺は情報を明かした。静かにうなずく陛下は、あまり驚いていない。
「……さようか。やはり兄上が」
 どころか陛下は、半ば予想していたようだった。
 ローシャル様というのは、陛下と俺の母とは腹違いの兄にあたる人物だ。
 我がバーミンガー王国は、王位は生母の身分や男女の別なく第一子相続が明文化されている。近隣諸国でも珍しい王位継承の様式を採用していた。
 その法に則れば、ローシャル様は本来、王位継承権第一位。現在王として立たれているはずなのだが、そこはどうしても一筋縄ではいかなかった。
 祖母である王太后が、洗濯女の生んだローシャル様を頑として国王の血筋と認めず、秘密裏に女を追放し、ローシャル様を地方教会に預けた過去がある。
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