海軍提督閣下は男装令嬢にメロメロです!

 なによりエレンは、初めてであるからして最初はオーソドックスに……い、いかん! 想像だけで、口にできないあんなところが由々しき状態にっ!
「ん? そういうもんか? 別に今まで通り床でいいじゃん」
 なんと! エレンは床でいたそうと言うのか!? ……いや、うーむ。しかしそれではエレンが体を痛くして……ハッ!
 俺が、俺が下になればいいのではないか……!? ゴクリとひとつ、生唾をのみ込んだ。……よし、俺が下、よしっ!
「エレン!」
「わっ!?」
 覚悟を決めた俺は、ヒョイっとエレンを抱き上げて、自分が下になって寝転がる。
 その時、上になったエレンの首から、いつもエレンが下げているペンダントが躍り出て、俺の鼻先をかすった。
「うん? なんだこれは?」
 反射的に掴み上げれば、いつもはしっかりと口を閉じているペンダントトップの革袋が、今は薄く口を開け、わずかに中を覗かせていた。
おもむろに革袋の口から中を覗く、ふんふ……んんっ!?
「あ、それは見ちゃ駄目なやつなんだ! ……もしかして見ちゃった!?」
「……いや、見ていない」
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