海軍提督閣下は男装令嬢にメロメロです!
「もしかするとエレンのお祖父様というのも、そのような風貌の方だったのか?」
「うん! そうそう! もう亡くなっちゃったけど、祖父ちゃんって人は、ほんまもんの熊かって感じの見てくれだったよ!」
 あぁ、退路は断たれた。エレンは現バーミンガー国王の孫であり、同時に伝説の鬼熊の戦神の愛娘……。
 鬼熊の戦神が相手となれば、俺とてサシで向き合ってかなうかどうか……。
 ……ふと、脳裏によぎった。結婚を反対されたエレンの父上はたしか……十六年間も忍んだのではなかったか!? ちょっと待て! 俺の紳士は、そうも長期間紳士のままでは……。
「紳士が発狂してしまう……」
「はぁ? なんかよくわかんないけど、今日のアーサーさんおかしいぜ。いつまでも夜更かししてたってあれだからさ、もう寝ようぜ。今日は特別に私がアーサーさんが寝るまで、そばで添い寝してやるからさ」
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