海軍提督閣下は男装令嬢にメロメロです!
「よしエレン、こんなものだろう。後は就寝前にもう一度様子を見よう」
 俺は手当てを終えたエレンの足を開放した。
「あ、ありがとっ」
 エレンは恥ずかしそうに、ササッと逃げるように足を引いた。そうしてキュッと膝頭を寄せて両足を閉じた。
 いかん!
 俺は思わず伸びかけた手を、意思の力で引っこめる。
 キュッと寄った可愛らしい膝頭を割り開きたいだなどと、俺はなんと破廉恥な想像を巡らせてしまったのだ!?
 いいや、嘘をつけ! 本当の本当は、割り開いたその先まで、想像したであろう!?
 違う、違うんだ! これはエレンが可愛らしいのがいけないっ! けっして俺がこらえ性がないなどということはないんだっっ!
 ちょこんっ。
 ん? ちょこん?
 ちょこんという感触を得た腕を見下ろす。
「なぁアーサーさん? 息荒いし、指先がわなわな震えちゃってるけど、大丈夫なのかよ? どっか具合、悪いんじゃないのか?」
 エレンが俺の腕をちょこんと取り、コテンと小首をかしげて見上げていた。
 ……ちょこん! ……コテン!!
 エレンの一挙手一投足、その可愛さの破壊力たるやすさまじい!!
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