365日のラブストーリー
「システム課の橋爪さん、総務部長の新井さん、人事部長の宇美さんです。それで、昨日このあたりを歩いたときに、あらためて昼間に来たいなと思ったんです」

「へえ、そうだったんですね。やっぱり仕事の話ですか?」
 有紗は足元に視線を落とした。うつむくと耳にかけていた顔周りの髪が頬に落ちてくる。

「仕事半分、プライベート半分というところですかね。メンバーがメンバーなので」

「坂巻さんは来なかったんですね。わたしの中では神長さんと坂巻さんってすごく仲が良い印象があって。どちらかっていうと、橋爪さんよりも坂巻さんのほうがそういう場に来そう」

「ああ……、最近忙しそうなので。家も逆方面ですし」
「でも、翌日休みならぜんぜんそんなの」

「そうでしょうね」
 間髪置かないあっさりとした口調が気になって、有紗は神長の横顔に再び目を向ける。口元には笑みを浮かべているが、それ以上立ち入ることを拒むような雰囲気だ。
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