365日のラブストーリー
『神長さんは家が遠いから、そんなに遅くならないと思います』
『飲み過ぎないでね。もし帰れなかったら迎えに行くから』

 心暖がいるのにどうやって? と苛立ちをぶつけそうになり、有紗は深呼吸した。人の優しい気持ちをストレス発散のはけ口にするのは間違っている。

『ありがとうございます。でも実は、結構飲める方だったりするので大丈夫です』
『とりあえず、店出るときに連絡して』
『はあい』

『まきさんさっさと帰ってたけど、男は神長さんだけ? 他に誰か来た?』
『神長さんだけです。わたしと宇美さんと三人です』

 外国人グループが合流していることを伝えようかと思ったが、やめておいた。今からすでにすでに帰宅できるかどうかを心配してくれているのだから、余計なことを言わない方がいい。

『そっか。気をつけてね、神長さん有紗ちゃんのこと気に入ってそうだから』
『それは絶対にないと思います』
< 213 / 489 >

この作品をシェア

pagetop