365日のラブストーリー
有紗は振り返った。ゲストを放置しているのに、洗面所でずっとスマホを弄っていましたとは言えず、笑みを取り繕う。
「少しテラスに出ませんか。酔いが醒めますよ」
神長が外を指す。そんなに長時間籠もっていたつもりはなかったが、彼にはそう感じたのかもしれない。心配してくれているようだ。
「じゃあ、少しだけ」
思いがけずにやってきた、二人きりになるチャンスだ。別段酔っていたわけでもなかったが、有紗は神長の提案に従うことにした。
「かなり盛り上がってますよ。各国のビール事情を談義する会になってきました」
神長が客席をちらりと見る。視線を追うと、宇美がいた。完全に隣の席に居たグループと溶け込んでしまっている。
「ああ……宇美さん。お酒大好きなんです。それに、外国人のイケメンも好きだから」
「みたいですね。楽しくやってそうです」
そのとき有紗に向けられた笑みが、さっきまでとは微妙に違う気がして、鼓動がはやる。有紗はバッグからストールを引っ張り出して、顔を半分埋もれさせるように巻き付けた。
「少しテラスに出ませんか。酔いが醒めますよ」
神長が外を指す。そんなに長時間籠もっていたつもりはなかったが、彼にはそう感じたのかもしれない。心配してくれているようだ。
「じゃあ、少しだけ」
思いがけずにやってきた、二人きりになるチャンスだ。別段酔っていたわけでもなかったが、有紗は神長の提案に従うことにした。
「かなり盛り上がってますよ。各国のビール事情を談義する会になってきました」
神長が客席をちらりと見る。視線を追うと、宇美がいた。完全に隣の席に居たグループと溶け込んでしまっている。
「ああ……宇美さん。お酒大好きなんです。それに、外国人のイケメンも好きだから」
「みたいですね。楽しくやってそうです」
そのとき有紗に向けられた笑みが、さっきまでとは微妙に違う気がして、鼓動がはやる。有紗はバッグからストールを引っ張り出して、顔を半分埋もれさせるように巻き付けた。