365日のラブストーリー
「え、わたしに?」

 心暖は恥ずかしそうにうつむいた。
 一体何だろう。館内を回っている間に何度か心暖に尋ねてみたが、何も教えてはくれなかった。



 病み上がりのせいなのか、小さな施設でも、子どもの足に合わせてつぶさに観察していると、それなりに体力を消耗するらしい。

 それが千晃の目にも見て取れるほどのものだったのか、家に着くなり有紗はソファに座らされた。
 温かいほうじ茶を淹れてもらった。それを胃の中に落としてほっとした頃、心暖が冷蔵庫からシュークリームを出してきた。

渡したかったものというのは、どうやらこれのことらしい。
病気で甘い物が食べられなかった有紗のためにと、土曜日に半日かけて千晃と一緒に作ったということだった。

「さすがに俺もシュークリームは作ったことなくて、生地がいまいちだけど。カスタードクリームはまあまあじゃないかな。ちょっと食べてみて……つうか、胃は平気?」

 千晃は娘と自分の分の皿を持って、テーブルに置く。
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