365日のラブストーリー
 今日これから自分が千晃に伝えようとしていることは、この子のことも傷つけてしまうのだろうか。想像すると悲しくて、有紗の目元が熱くなってくる。

 千晃が驚いて、ティッシュボックスを差し出してきた。

「美味しいです、とっても。優しい味がする」
 有紗はぐっと涙を堪えて、千晃に笑顔を向けた。

 保育園の友人の話をして、それに飽きると有紗の膝の上にボードゲームを持ってきた。人気アニメのキャラクターが描かれたすごろくだ。

有紗と心暖でチームを組んで、千晃と対戦した。それが終わってテレビを見ているうちに、まだ夕食前だというのに心暖は寝てしまった。

 子ども部屋から枕と毛布を持ってきて、千晃は心暖の頭の下に枕を差し込んだ。

「夜寝られなくなるのも困るから、とりあえずこれで」
「本格的に寝ちゃうと、ご飯の時間もずれちゃいますしね」

「そうそう。朝起きてからずっと興奮状態だったからな。何回も冷蔵庫開けたり閉めたりしてさ。誰もシュークリーム食ったりしねえってのに」
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