365日のラブストーリー
「綿貫さんが、どうして今日元町を指定してきたのかよくわかりました。そもそも俺との時間を楽しむ気はなかったわけですね」

 否定することもできずに有紗は黙り込んだ。

「千晃との関係を気づかれて、今までのように友人でいることが難しくなった。だから、俺に振られることで自分に罰を与えて精算したい、そういうことですか」

 声は感情が読めないほどに、淡々としていた。

「俺や千晃に対して、申し訳なく思っている気持ちはわかります。けれど、……他人を利用して、自分を傷つけようとするのはやめてください。大切にしている人が傷つく姿を見ているのが、俺にはいちばん堪えます」

 風に揺れるマフラーを鬱陶しそうに外して、神長は軽く首を振った。

「じゃあ、どうしたらいいって言うんですか。側に神長さんが居たら、わたしきっとまた神長さんの優しさに甘えちゃうし、どんどん好きになって迷惑を掛けてしまうし」
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