365日のラブストーリー
慌てすぎて、上着を忘れてきてしまったということに、肌が触れあって気がついた。
(こんな人目に付くところで)
何を考えているのかと見上げてみるが、神長には動揺するそぶりもない。
「あの」
抱擁から抜け出そうとすると、むしろ腕の力は強くなる。有紗が抗うことをやめると、神長はようやく腕を解いた。
「会いに来ない方がよかったですか」
「そんなことは。でも神長さんは、坂巻さんと少しでも一緒にいたいんじゃないかと思って。だから」
「それで相談もなく、俺との予定をキャンセルしてきたというわけですか」
口調は穏やかだが、何か不満がありそうだ。
「坂巻さんのほうがわたしよりも滞在時間も短いので。わたしだってほんとうは神長さんとできるだけ一緒にいたいって思ってて」
「それならば今朝、どうして連絡をくれなかったんですか。千晃から聞きました、朝、あなたから誘われて食事に行ったと」
「ええ?」
「違いますか?」
「違わない、ですけれど」
(こんな人目に付くところで)
何を考えているのかと見上げてみるが、神長には動揺するそぶりもない。
「あの」
抱擁から抜け出そうとすると、むしろ腕の力は強くなる。有紗が抗うことをやめると、神長はようやく腕を解いた。
「会いに来ない方がよかったですか」
「そんなことは。でも神長さんは、坂巻さんと少しでも一緒にいたいんじゃないかと思って。だから」
「それで相談もなく、俺との予定をキャンセルしてきたというわけですか」
口調は穏やかだが、何か不満がありそうだ。
「坂巻さんのほうがわたしよりも滞在時間も短いので。わたしだってほんとうは神長さんとできるだけ一緒にいたいって思ってて」
「それならば今朝、どうして連絡をくれなかったんですか。千晃から聞きました、朝、あなたから誘われて食事に行ったと」
「ええ?」
「違いますか?」
「違わない、ですけれど」