365日のラブストーリー
 大切な人が心安らげる環境ならばかまわない、嫉妬することもなくそう思ってしまうのは、神長の周りにいる人たちが有紗にとっても愛すべき人だからなのかもしれない。

「あなたはなんだか嬉しそうですね」
 神長から小声で囁かれて、有紗は振り向いた。

「はい。だって……」
 胸にこみ上げてくる気持ちを言葉にすることができずに、有紗は鼻をすすった。テーブルの下で神長の手の甲が腿に触れた。有紗を求めるように、指は軽く開かれている。

 この気持ちが伝わるだろうか。そっと手を重ねてみる。有紗は未来を掴むような気持ちで、神長の手を握った。






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