365日のラブストーリー
4
神長の宿泊しているゲストハウスは、中心地から車に乗って三十分ほどの場所にあった。観光地を完全に離れて、現地の人たちが生活している小さな町を通り抜けた先の海辺だ。あたりはすっかり暗くなり、タクシーのヘッドライトがなくなると、足元が不安になる。有紗は神長の腕に掴まった。
「目が慣れると、星明かりで道も見えるんですけれど」言いながら彼はキーホルダーのLEDで足元を照らした。
「中心地はあれだけ観光地化されているのに、なんだか不思議なかんじがします。でも普段都市にいるせいか、海があるっていうだけでもしあわせで。神長さんが横須賀に住みたい気持ちが、ほんとうによくわかります」
足元に気をつけながら、進んでいく。建物が近付くと、神長はポケットから鍵を取りだした。
「足元気をつけてください。ときどき、何かいますから」
「何かって?」
「東京ではあまり見かけない生き物とか」
「ええっ」
有紗が腕を掴む手に力を入れると、神長は笑う。冗談だったのだろうか、そう思っていたが、彼は草むらに近寄っていく。
神長の宿泊しているゲストハウスは、中心地から車に乗って三十分ほどの場所にあった。観光地を完全に離れて、現地の人たちが生活している小さな町を通り抜けた先の海辺だ。あたりはすっかり暗くなり、タクシーのヘッドライトがなくなると、足元が不安になる。有紗は神長の腕に掴まった。
「目が慣れると、星明かりで道も見えるんですけれど」言いながら彼はキーホルダーのLEDで足元を照らした。
「中心地はあれだけ観光地化されているのに、なんだか不思議なかんじがします。でも普段都市にいるせいか、海があるっていうだけでもしあわせで。神長さんが横須賀に住みたい気持ちが、ほんとうによくわかります」
足元に気をつけながら、進んでいく。建物が近付くと、神長はポケットから鍵を取りだした。
「足元気をつけてください。ときどき、何かいますから」
「何かって?」
「東京ではあまり見かけない生き物とか」
「ええっ」
有紗が腕を掴む手に力を入れると、神長は笑う。冗談だったのだろうか、そう思っていたが、彼は草むらに近寄っていく。