365日のラブストーリー
(もしかして、ぎゅっとしたときの厚みに引いた?)
この間のキスは不意打ちだったし、今さっきのように抱きしめられたわけではなかった。毎日が着痩せコーディネートで、千晃もこの厚みに気付いていなかったのかもしれない。
今更腹部をへこませたところでどうにもならないというのに、有紗は自然と腹に力を込めていた。
「先入って。荷物あるから」
「はい、すみません」
ここで追い返そうとしない優しさに感謝しながら、有紗はブーツを脱いだ。
無駄なもののない玄関を超えると、右側にたくさんのお菓子のシールが貼られた扉がある。おそらく心暖の部屋だろう。通路の先、扉で仕切られた場所がリビングのようだった。
「そこまっすぐね。つーか有紗ちゃん靴脱ぐと小さいな」
背中に千晃の声が刺さる。縦と横の比重について言われているような気がして、居たたまれない。
先に中に入ると、有紗は扉を押さえた。大荷物を担いだ千晃はそのまま冷蔵庫の前に突き進む。慣れた様子で食材をしまっていく。
この間のキスは不意打ちだったし、今さっきのように抱きしめられたわけではなかった。毎日が着痩せコーディネートで、千晃もこの厚みに気付いていなかったのかもしれない。
今更腹部をへこませたところでどうにもならないというのに、有紗は自然と腹に力を込めていた。
「先入って。荷物あるから」
「はい、すみません」
ここで追い返そうとしない優しさに感謝しながら、有紗はブーツを脱いだ。
無駄なもののない玄関を超えると、右側にたくさんのお菓子のシールが貼られた扉がある。おそらく心暖の部屋だろう。通路の先、扉で仕切られた場所がリビングのようだった。
「そこまっすぐね。つーか有紗ちゃん靴脱ぐと小さいな」
背中に千晃の声が刺さる。縦と横の比重について言われているような気がして、居たたまれない。
先に中に入ると、有紗は扉を押さえた。大荷物を担いだ千晃はそのまま冷蔵庫の前に突き進む。慣れた様子で食材をしまっていく。