365日のラブストーリー
「アイス買ってるし。有紗ちゃんの?」
「違います、心暖ちゃんのです。ちょっと元気になってきたら、食べたくなるかなって」

「あー、心暖好きだもんなアイス。なんか……ほんとありがと」
「とんでもないです。こういうときくらい役に立ちたいなって」

 急に千晃がくるりと振り返った。何を言われるかと構えたが「そのへん座れば」と、ダイニングの椅子を勧めてきた。

 片付けた後にりんごをひとつ手に取って、キッチンに立つ。とりあえず心暖の食事を用意するようだ。

「もともと体温高いから、救急で病院に連れていくほどでもないかなとは思うけど。これから上がってくるかもしれないし、今日は様子見だな」

「月曜日に保育園行けないと、森住さん困りますね」

「まあねえ。さすがに家においてはいけないから、そうなったら休むしかないよな。最悪母親呼ぶけど、あの人も午後までは仕事してるから、そっちを休んでもらうってなるんだよな。でも、向こうには向こうの生活があるからね」
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