365日のラブストーリー
子ども部屋の前に着くと、有紗は扉をノックした。
「心暖ちゃん、有紗です。入るね」
驚かせないようにゆっくりと扉を開くと、心暖が弱々しい声で「ありさちゃん」と名前を呼び、手を伸ばしてきた。
頬はほんのりと赤く染まり、いつもはまっすぐ下ろされている前髪が、汗で額に張り付いてしまっている。熱に苦しんでいるにもかかわらず、思いがけない見舞いが嬉しかったのか、心暖は口元にうっすらと笑みを浮かべた。
有紗は手のひらにすっぽりと収まってしまいそうな小さな手を両手でそっと握った。
「今はよく寝て、元気になったらまた遊びに行こうね」
心暖は頷いた。
額に貼る冷却シートを取り替えてから身体を起こすのを手伝い、すりおろしたりんごをスプーンで掬いながら食べる姿を側で見守る。
すべてを食べ終えてから、心暖は再び横になった。熱を測ってみると、三十七度四分ある。
「心暖ちゃん、有紗です。入るね」
驚かせないようにゆっくりと扉を開くと、心暖が弱々しい声で「ありさちゃん」と名前を呼び、手を伸ばしてきた。
頬はほんのりと赤く染まり、いつもはまっすぐ下ろされている前髪が、汗で額に張り付いてしまっている。熱に苦しんでいるにもかかわらず、思いがけない見舞いが嬉しかったのか、心暖は口元にうっすらと笑みを浮かべた。
有紗は手のひらにすっぽりと収まってしまいそうな小さな手を両手でそっと握った。
「今はよく寝て、元気になったらまた遊びに行こうね」
心暖は頷いた。
額に貼る冷却シートを取り替えてから身体を起こすのを手伝い、すりおろしたりんごをスプーンで掬いながら食べる姿を側で見守る。
すべてを食べ終えてから、心暖は再び横になった。熱を測ってみると、三十七度四分ある。