恋の餌食 俺様社長に捕獲されました

ホテルといえばシングルルームしか知らない梓は、その場で呆然と立ち尽くす。
一樹はブリーフケースをソファに置き、自分もそこに座った。


「梓も座って」


自分の隣を手でトンと叩き、梓を呼び寄せる。


「……失礼します」


一応そう断り、拳三つ分ほど空けて座ると、一樹がその間を詰めて梓にジリッと迫る。
反射的に梓がお尻をずらそうと腰を上げかけたところで、一樹の手によって阻まれた。


「逃げるな」


手を掴まれ、ドキッとさせられる。


「逃げたわけではないのですが……」


強い視線に怯んで目を逸らした。


「もう終わりにしよう」


言われた言葉にショックを受けて一樹の顔を見る。

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