恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
やっぱりと思わずにいられなかった。一樹からお役御免を言い渡されたのだ。
予想していたとはいえ、実際に言われると心に堪える。偽りでも、もう一樹のそばにいられなくなるのだから。
本物の恋人ができるまでと言っていた期限が、いきなり切り上げられてしまった。
それもこれも、梓の役不足が原因だろう。それを決定づけたのが、さっきの遠藤とのことに違いない。
陽子の再婚だと勘違いしてのこのこやって来たため、自分で自分の首を絞めることになった。
一樹の顔を見ていられなくなり、梓は唇を噛みしめて俯いた。
でも、最初から終わりの見えていた関係だった。一樹にも初めにはっきりそう言われていたのだから。
ここでメソメソと悲しい顔をして終わりにしたくない。
顎をぐっと上げ、もう一度一樹を見る。なんとか笑ってみるが、唇の端が震えた。
「か、一樹さん、今日までありがとうございました。……すごく楽しかったです。短い間でしたが、とてもいい思い出に――」
「なにを言ってるんだ」
一樹が訝しげに眉を動かす。