恋の餌食 俺様社長に捕獲されました

「……今のは、ペナルティのキスじゃないですよね?」


一樹の告白を聞いても、そう確認せずにはいられない。


「好きっていうのもジョークだって、言わないですよね?」


今さら笑い飛ばされたら、きっと梓は立ち直れなくなるだろう。〝そうですよね〟としおらしく引き下がれない。


「こんなことを冗談では言わないよ」


ホッとして、喜びが再び込み上げる。


「……よかった。ペナルティのキスでもうれしかったんです。でもやっぱり……」


心のないキスは、もうほしくない。
嫌がる素振りをしていたのは、一樹に気持ちを悟られないためだった。


「梓は俺を煽るのが相当うまいな」
「煽っているつもりは――ひゃっ!」

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