恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
一樹がクスッと笑うと、梓は「笑いごとじゃありません」と軽く釘を刺す。
「誰かに見られたらスキャンダルになってしまいますから」
「スキャンダル? 大いに結構。俺は誰に見られようとかまわないぞ。なんなら今すぐここから出て、梓とオフィシャルになってもいい」
その方が公然といちゃつけると思うあたり、一樹は梓にぞっこんだ。
「それはいけません」
「なんで?」
一樹が詰め寄ると、梓はジリッと一歩後退し、頬をほんのりと赤くして見上げた。
「一樹さんが社長だからです。その相手が私では、格好がつかないです」
ハイヒールを履いたくらいでは、自信をもつにはまだ足りないらしい。
一樹には格好がつかないと思う理由がわからない。
「自分を卑下するな。梓はいい女だ。それは俺が保障する」
「そ、そんなことをこんなところで言わないでください」