不思議の国のティーパーティー
「それで、お嬢様は何を見て調べようとしているのですか?」
さっき魔法であたしの手から奪った本を無造作に開いた。
が、
「あ、待ってそれはテキトウに……」
止めるのが遅かった。
再びあたしの顔がみるみる赤くなるのが分かる。
「眠り姫?」
「何故童話を……」と言わんばかりの表情だったが、やはりアオイは頭の回転が早かった。
「お嬢様、私にキスをさせようとしていますか?」
顔を顰めるアオイに対し、あたしの顔は更に赤くなる。
「そ、そんな訳ないでしょう!?呪いと言えばこの本だと思っただけよ!どうせ魔術書や歴史書は目を通したんでしょう!?」
赤い顔を隠すため、アオイに背を向けて叫んだ。