不思議の国のティーパーティー



「それで、お嬢様は何を見て調べようとしているのですか?」


さっき魔法であたしの手から奪った本を無造作に開いた。


が、

「あ、待ってそれはテキトウに……」



止めるのが遅かった。



再びあたしの顔がみるみる赤くなるのが分かる。



「眠り姫?」



「何故童話を……」と言わんばかりの表情だったが、やはりアオイは頭の回転が早かった。




「お嬢様、私にキスをさせようとしていますか?」



顔を顰めるアオイに対し、あたしの顔は更に赤くなる。



「そ、そんな訳ないでしょう!?呪いと言えばこの本だと思っただけよ!どうせ魔術書や歴史書は目を通したんでしょう!?」



赤い顔を隠すため、アオイに背を向けて叫んだ。



< 45 / 90 >

この作品をシェア

pagetop