INFATUATOシンドローム 2




大翔「俺からお前に与えた権利を勝手に譲渡しようとするな」


璃夢「ぶぅ…だって分かんないもんは分かんないんだもん」


考えて分かんないものはね、いくら考えても分からないもんなの!諦めも肝心なんだからね!?

それに難しい言葉使わないでよ。もっと簡単に言ってくれればいいのに。数学の先生なんたし。

《数学教師は関係ないだろう》


理緒「俺らお腹すいたしちゃちゃっとやっちゃおーよ!」


いきなりそんなことを言い出した胡桃先輩はチョークを1本手にとると問題を解き始めた

それもスラスラと。


大翔「オイ、お前も勝手に解くな」


呆れながらも書き続ける胡桃先輩を止めることはしない大翔さん。

私は凄いなと思って胡桃先輩を見続けた。


理緒「はーいっおっしまい!」


チョークを置き、手をパンパンと叩いて粉を払う先輩。

黒板には長い途中式が書かれていた。


璃夢「すごいっ!すごいです胡桃先輩!」


問題を見ただけですぐに解き始めるなんて!私だったら『なんだこれ?』って思って終わりになるのに。


理緒「ふっふーん!でしょ?惚れなおした?」


おちゃらけて言う胡桃先輩を『すごいすごい!』と賞賛しまくっていると


大翔「不正解だ」


答え合わせを始めていた大翔さんがそんなことを言った。

え?不正解?



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